2016年1月3日日曜日

未来予測2016 ~世界3つのシナリオ~

 今年で4年目となる毎年恒例の未来予測を書く。所感を述べれば2015年はかなりアグレッシブな年だった。ヨーロッパはイスラム国をめぐる争いが飛び火し、中東ではロシア・アメリカ・EUの三つ巴でゴールの解らない戦争状態となり、そんな中で日本は安保法案でアメリカのお供をする事に決めた中で、アベノミクスによる致命的な経済失敗が各所で言われるようになった。

 ちなみに今回の予測を書く前に過去の予測を読み返してみた。細かい話は元々書いていないので大筋で変わりはないが、一点違っていたと思うのは中国についての解釈だ。3年前に私は中国は国内が安定せずに徐々に分裂化してゆく方向に進むのではないかと考えていた。だが3年経過してみて今ではそれは無いと思うようになった。もちろん盤石ではないかもしれないが少なくとも10年以内に激変するような事は無い気がする。世界が不安定化するなかではむしろ中国はまだ安定していると言えるのかもしれない。

 では本題に入ろう。細々した話をやっても面白くないので、今回はあえてラディカルに未来を3つのシナリオに分けて考えてみた。


<シナリオ【1】中東の再構築>
 おそらくこれは多くの人には荒唐無稽に思えるだろう。だが考えてみて欲しい。もしもISの戦争が継続して火の手がサウジやエジプトに飛び火してトルコとEUに亀裂が生じ、テロが世界で吹き荒れて収拾がつかなくなり大国は疲労して中東にもう関わりたくないと考えるようになったならば、西洋が撤退した後の中東にイスラム文化圏としての新世界が現れるかもしれない。

 もちろんそれは安易な道程ではない。どれだけ世界で血が流れたか想像もつかない悲劇を経ないと、西洋社会は中東に首を突っ込むのを止めたりはしないだろう。まさに世界でテロが吹き荒れた後の話だ。
 
 恐らく識者はこんな予測を馬鹿げたものとして鼻で笑うだろう。だが仮に世界を数十年から数百年単位でシュミレーションしたならば、このシナリオのような解があってもおかしくないと私は考える。なぜならば、それぐらいに現在のアラブの火種は深く根源的な物であり5年や10年では収束しえないと思えるからだ。ゆえに20, 30, 40年という時間を経たあとには違う世界が生まれるのではないかという気がする。

 またこれは私の個人的な希望のシナリオでもある。私はISの蛮行をきっかけではあるが中田考氏らの講演や書籍を経て、本来のイスラム文化についての魅力や可能性に期待する者である。イスラム的な相互扶助の文化は、現在の過剰な資本主義や超管理社会化する流れに対抗できそうな数少ない可能性の一つだと私は考えている。

 ゆえに私はアングロサクソン達がいい加減に中東にちょっかい出すのを止めて欲しいと願っている。過去のメンツにこだわった馬鹿げたチキンレースはいい加減に終わりにして新たな道を模索して欲しい。


<シナリオ【2】超管理社会の出現>
 日本でもマイナンバーが導入されたが、最新テクノロジーと資本主義が結合した結果により、超管理社会が徐々に実現するというのがこの予測である。ちなみに私が言おうとしている超管理社会とは「人の行動すべてがIDに紐づけられていて把握可能な世界」であり、もう少し砕いて言えば、勤務先情報、病院への通院歴、購買記録、市役所の引越記録、ネット上の発言記録等の各電子化された情報がID全て繋がり、かつ施政者からいつでも参照可能な状態になった世界のことだ。
 当然の事だが、そうなった世界では真の発言の自由や思想信条の自由は大幅に制限されるだろう。例えば就職差別だったり、ネット上で都合が悪い発言を消したり改ざんしたり、誤情報を流して転落させたりと、やる気になればほとんどなんでもできる。

 ちなみにテクノロジー的にはこれらの技術は全て確率されており、歯止めとなっているのは各国の人権(順法精神、つまりは良心)のみである。そして現在進んでいるTPP(超グローバル化)もある意味では超管理社会出現のトリガー的な要素になりそうだ。
 なので危ないのはテクノロジーは進んでいるが民度の低い国であり、まさに現在の日本はもっとも危険である。あと私的な主観で言えば韓国、アメリカ辺りも早い段階で超管理社会に突入しそうな気がする。

 じつはこのシナリオが最も私の危惧するものである。まさにオーウェルの1984みたいなデストピアが油断をすればすぐそこに来ている。これは誇張ではない。なぜならばシナリオ1のテロが終わりなく繰り返される世界では、人々は安易に人権や自由よりも鎖を選ぶ可能性が高まる。今ほど危うい時代はない。

 特に日本は危うい。安倍政権は中国や韓国などの緊張を散々煽って、人権や自由よりも巨大な権力に管理された世界がいいと思い込まそうとしている。
 ちなみに最悪なのが、彼らは大日本帝國のノスタルジー的な幻想に酔ってありもしない幻想や妄想で人を縛ろうとしていることだ。落ちぶれた人間がまるで重箱の隅をつつくように執拗に近隣諸国のヘイトを誘う姿は醜悪である。そしてそれもこの危機を招く一つの要因となっている。

 超管理社会は本当に最悪である、もしもそれが想像しにくいというのならば、下世話な例えだが社会そのものが「ブラック企業化」した世界と考えれば良い。例えば貴方が2013年にブラック企業大賞にノミネートされた企業の社員になったと想像してみてはどうあろう。

 無理なノルマを押し付けられて、残業無しでこき使われたあげくに、失敗は全て自己責任扱い、体を壊そうが心を病もうがおかまいなしである。軍国主義の日本も似たようなもので、精神論が横行して、上手くいかないのは全て個人のやる気不足(自己責任)であり、弱者を救済する必要なししてきた。
 そもそもブラック企業化すれば競争に勝てるという安易な考えそのものが馬鹿げているが、世間ではそう考えている人間は一定数いるようである。このテーマはどこか別の機会に論じたいと思う。


<シナリオ【3】世界が平和に丸く収まる方向へ進む>
 もしもヨーロッパがナチによる悲劇や経験を忘れず、そして過去の大戦や紛争の歴史から学んで民衆そのものが哲学的に進化したとしたならば、上記2つのシナリオを止める方向に動いてくれるかもしれない。
 あるいはムスリムやアラブ社会が本来の相互扶助の精神を取り戻し、安定した社会へと徐々にすすもうと和平を探る方向へ進むならば僅かながら私はこの第3のシナリオにも希望があると思う。

 だがアジアはまだまだ民度が低くて世界を平和へ向けようとする動きにはならないだろう。アメリカもダメな気がする。日本の安倍政権に至っては最悪でナチの再来みたいな動きで紛争を産み出しかねない気すらする。

 人類は教育を経て知識を得て進化してきたのだとすれば、現時点から平和な方向へ世界を進める事も理論上は可能である。だが正直言ってこのシナリオは上記の中で最も可能性が低い。だがゼロでは無い選択肢の一つとして記載しておく。


<シナリオ【4】今と同じ世界が続く>
 あえて最後にオマケとしたが、当然の事ならが現在と同様に揺れながら同じような世界が続くという未来も当然ある。これはもっとも普通そうな話だが、正直言って可能性は高いのか低いのか解らない。それだけ世界の抱える歪は大きいのではないかという思いがあるし、綱渡りのような危うい困難な道のりにも思える。
 
 あと5年は今と同じような世界が続くかもしれない。だがあと10年、15年・・・と考えた時に、同じような世界がそのまま続くとは考えにくい。例えば過去にソロスがいったように、スーパーバブルが弾けるかもしれない。現在の世界経済は実態を超えた金融経済(仮想経済)の上に成り立った危ういものともいえるからだ。

 あるいは環境問題と人口問題が合わさって深刻な食糧危機事態がおきるかもしれないし、アラブで始まったテロが世界中に広がって、シナリオ2のような世界に進むか、また別の終わりの見えない争いが始まるかもしれない。日本では昨年の安保法案により、すでに自衛隊がアメリカの2軍扱いになっている状況なので、今までになかった問題や争いが起きる可能性が高い。いつもと同じような世界というのが、実は一番困難な道のりになるかもしれない。


<おわりに>
 あくまでも上記に書いたシナリオは現時点での私の想像である。だが混沌とする状況と、テクノロジーで加速された世界では、今後どのような事が起こるのか予測はしにくい。そろそろ本気で誰かがスーパーコンピューターで世界の未来を予測するべき時がきたのかもしれない。私は正直言って人の知恵だけでうまく未来が選べるとは思えない。この状況を打開するには大きな目線での第三者が必要なのかもしれない。


<参考リンク>
未来予測2013 ~私的予言録~

未来予測2014 ~安倍政権という方向性~

未来予測2015 ~不安定化する世界~

新しいパートナー(人口知能の政治参加)