2015年1月19日月曜日

「シャルリー・エブド事件」という「踏み絵」に対する反論

 2015年1月7日、フランス週刊誌「シャルリー・エブド」がイスラム教徒に襲撃され12人が死亡するという事件が起きた。いわゆる風刺画事件である。この件については既に色んな記事が書かれているのだが重要な事件でもあるので、私もこの事件について思った事を書き留めておく事にする。

 まずこの事件に対するツッコミどころだが、これは「イスラム教徒として言おう。「言論の自由」原理主義者の偽善にはもう、うんざりだ」の記事に見事に書かれているのでこういった詳細を省略する。代わりに事件を聞いて第一に思って、どうしてもツッコミたかった次の事を書いておく。

 それはこの事態に対してフランス等のメジャーニュースが、あたかも2択しかない踏み絵を突きつけるかのような問いかけをしている事だ。

<2択の踏み絵:シャルリー・エブドの支持について>
1)シャルリー・エブドを支持する
 言論の自由を支持する
2)支持しない
 テロリストを支持する

 だが私はせめて次の4択にするべきだと思う。

<4択の踏み絵:シャルリー・エブドに対する解釈>
1)シャルリー・エブドの記事を評価する +テロ攻撃を評価しない
 記事は良い内容で、テロはけしからんという選択
 → 一般的な選択で、多分フランス政府や多くの国の支持内容

2)シャルリー・エブドの記事を評価する +テロ攻撃を評価する
 記事は良い内容だが、テロにあうのは当然だという選択。
 → こういった選択は普通ないだろうが、いちおう分岐例として残す

3)シャルリー・エブドの記事を評価しない+テロ攻撃を評価しない
 記事はくだらない内容だが、テロはけしからんという選択
 → ★この選択が欲しい、私はこういう意見です

4)シャルリー・エブドの記事を評価しない+テロ攻撃を評価する
 記事はくだらない内容でかつ、テロでやっつけるのも当然である
 → この選択をする人が本来のテロリストだと思う

 ようするに、テロはあくまでもいけないのだが、シャルリーの風刺画は低レベルで下劣なのでこれを評価したくはないなと思う人も一定数いるわけです。そしてこれを代表として述べてくれたのが現ローマ法王(フランシスコ法王)である。法王は他人の信仰を侮辱するべきではないとし、シャルリーの記事はまるで相手の母親の悪口を言うような低俗な内容だというニュアンスで暴走しそうな世論に釘を刺した。
 さすが現ローマ法王よくぞ言ってくれた。これを読んでまず思ったのは「さすがローマ法王フランシスコ、ロックだね」である。まさに法王は上記3)の選択を支持していたのである。

 だがちょっと現在は危ない風向きで、このままでは中東を中心として世界大戦レベルの大揉めがおきかねない。乱暴な話だが、一部メディアの煽りはイスラム教徒=イスラム国、そこまでいかなくともシャルリーを支持しない連中は全てテロリストだと言い兼ねない勢いになっているからだ。
(そんな理屈ならば全イスラム教徒はテロリストだし、ローマ法王や私もテロリスト扱いになる)

 それと、どうも気になるのは・・・なんだか事件を利用して中東で戦争したい連中がわざと油を注いでいるような感じがすることである。どうしても「911事件」とかぶって見えてしまう。あたかも「中東情勢は不安定で困るからこの際に先進国みんなで潰しちゃおうよ」とでも言っているかのようだ。
 しかし、本当にそんなノリで戦争を始めればこれはえらい事になる。しかしも対立軸が「イスラム教徒VS先進国」となるのが目に見えているので、これは一気に世界中でテロの嵐が吹き荒れる事になるだろう。そうなった場合の規模は911事件などとは比べ物にはならない。本当に世界中を巻き込む大混乱になるだろう。
 なのでローマ法王がクールな発言をしてくれたのは世界に対して冷静になれよという強いアピールであり、これは唯一の救いである。だがこれからどうなるかは要注意である。


<余談1:日本で起こった同様の事件について>
 ちなみにこの事件を見て次に思ったのは「日本の植村元朝日新聞記者の脅迫事件」の事である。。これは現在も進行中の事件だが、簡単に説明すると「元朝日の植村記者」が一部の勢力から慰安婦捏造問題の元凶扱いされており、脅迫行為を受け続けているという話である。しかも悪質なのは植村氏が大学に就職しようとした際に、大学に対して生徒を傷つけるという脅迫まで発生したという点だ。

 まあこの事件は経緯や内容を聞くと、あきらかに事実誤認による濡れ衣であり、とばっちりとしか思えない内容である。だが安倍政権の執拗な朝日叩きと、メディアが真面目に調査して記事を書かない事もあって、いまだに植村氏が一部で敵視され続けているという事態は変わってないようだ。

 そこでフランスのシャルリー事件を見てまず思ったのは、日本の植村記者の強迫事件に対し「これは言論の自由に対する許せない挑戦である」という本気の態度で政府や警察が動いたという話を聞いたことがない。むしろ耳にするニュースや動向ではサボタージュしているように思えるほどである。それに主要メディアもこの問題をあまり大きく取り上げない。フランスと比較すると、まあいつもの事だけども、正直言って情けなくなる。


<余談2:安倍総理の外交補足>
 このブログを書いているあいだに聞いてずっこけたニュースだが、安倍総理がイスラエルに訪問して次のように述べたとしている。
 「このような卑劣なテロは、いかなる理由でも許されず、改めて断固非難したい。イスラエルをはじめとする国際社会と緊密に協力しながら、テロとの闘いに取り組んでいきたい」

 正直驚いたし、今のタイミングでこの発言は間が悪すぎてドン引きする。なぜならば、これはあたかも「日本はイスラエルに味方してイスラム国及びイスラム過激派と戦いますよ」というメッセージに受け取れるからだ。さすがにアメリカですらここまで突っ込んだ発言はしてないのではないか。まるで鉄砲玉(アメリカの?)みたいな無謀な発言だ。

 イスラムの問題は歴史や文化も含めたとてもデリケートな問題である。こんな気軽に口を突っ込んで良い話ではない。誰が安倍総理に言わせたのか分からない、あるいは本人の意思なのだろうか、まったく理解できない行動だ。まるで古いヤクザ映画に出てくる口先だけですぐに死亡フラグを立てるチンピラみたいじゃないか。もうこの人については語りたくないのだが、久々にツッコミをいれずにはいられない行動である。


<参考リンク>

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